番外編
谷川貞治さん

4/4

そうなんですか(笑)。じゃあいまカラオケ行くなら何を歌うんですか?
谷川
いまだったら何かなぁ?いきものがかりかな。
あ~、さすが元祖ミスター大衆ですねぇ。
谷川
いきものがかりは久々にいいなぁと思ったねぇ。歌詞もいいし、声もいいし。あの子好きなんだよね、普通の顔した子。
大衆は失礼ですねぇ(笑)。吉岡聖恵ちゃんです。番組で一回ゲストに出てもらったことあるんですけど、めっちゃ美形ってわけではないんですけど、凄くかわいらしいんですよ。
谷川
ああいう子は好きだね。魅力ある。話も面白いと思うし。
喋りもメッチャ上手なんですよ。
谷川
上手いよね。いきものがかりは去年ベストが出てたと思うんだけど、それとかも持ってるからね。

Disc 07

『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
いきものがかり

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ご自身で買われたんですか?
谷川
いや、誰かにもらった気がする。誰だったかなぁ?
またしても気の利く側近が(笑)。
谷川
EMIとかポニーキャニオンとか知り合いがいるからいろいろもらったりするんだよね。「いま何が流行ってんの?」って聞くとCDくれるからね。
じゃあ僕もプレゼントしますよ。
谷川
流行ってるヤツをチョイスしてちょうだい。
わかりました(笑)。
谷川
それでね、俺は女性が好き。
女性ボーカルってことですね?
谷川
そうそう。綾香とかいきものがかりとかJUJUとか、そういうのが好き。
はいはいはい。
谷川
あと西野カナとか。
ホントに流行りモノが好きなんですねぇ(笑)。
谷川
大好き。そういう女性ものが好き。男の歌はあんまり聞かないんだよねぇ。
女性ボーカルといえば、選んでもらった中のケルティック・ウーマンとかもそうですよね。ウーマンって入ってるぐらいですし(笑)。
谷川
ケルティック・ウーマンに関して言うと、このツラい2~3年で一番癒された曲なんだよね。

Disc 08

『ケルティック・ウーマン』
ケルティック・ウーマン

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そうなんですか(笑)。
谷川
あ、そうそう。「カラオケで何を歌うか?」って聞かれたら、この「ユー・レイズ・ミー・アップ」か、あとは秋山(成勲)の入場曲も歌うね。
 
秋山さんの入場曲って、サラ・ブライトマンの「Time to Say Goodbye」ですよね。
谷川
そうそう。アレを歌うと凄いウケるんだよ。それでモノ凄く上手いんだよ、俺。あの歌うたわせると。
モノ凄くうまいんですか。聴きたいなぁ、谷川さんのサラ・ブライトマン(笑)。
谷川
いつでも聞かせてあげるよぉ。
みんなで谷川さんとカラオケに行くツアーとかやりたいなぁ。
谷川
いいねぇ!
でも、ケルティック・ウーマンの歌詞を読んだら、確かにいまの谷川さんに合うなぁと思いましたよ。
谷川
そうでしょ。メッチャ癒されたからね。去年やったK―1最後の大会のオープニングでこれを流したんだよ。俺の希望で。
あ、そうだったんですか。
谷川
「もう終わりそう」とか「あなたがいれば立ち上がれる」みたいな歌詞なんだよね(笑)。
そうなんですよね(笑)。
谷川
歌の前に自分でメッセージを書いて流したんだよね。「K-1を必ず復活させます。谷川貞治」っていうのを流してから「♪ユー・レイズ・ミー・アップ」って曲に入ってさ。
そんな粋な演出をしてましたか(笑)。どうせなら谷川さんが歌えばよかったじゃないですか。
谷川
歌えばよかったなぁ。これ読んでる人も、破産しかけたり、朝起きれなくて学校行きたくないと思ったりしたら、迷わずこの歌を聴きなさい!
ダハハハハハ!破産と朝寝坊が同列(笑)。
谷川
ちなみに、安西(伸一=元週刊プロレスの名物記者)さんが入院したんだよ。だいぶ前の話だけど。
ベースボールマガジン社の新潟支社に異動されたあとですよね?
谷川
そうそう。俺はそれを聞いて、ケルティック・ウーマンのCDを送ったの。
お~~!いいことしますねぇ。
谷川
いいことするんだよ(笑)。それをいまでも感謝してくれるからね。
そうなんや。
谷川
なんか入院してた頃はジッとしてるとスタン・ハンセンの曲が流れるんだって(笑)。
それは重病だ(笑)。
谷川
頭の中で。「これはいかん」と思ったらしいんだけど、それどんな病気だよ、と(笑)。
でも何かに追われてる気持ちにはなりますよね(笑)。
谷川
そうそう。それを聞いて、「大丈夫なの?」とかメールを送ったりしてたら「なんかジッとしてるとスタン・ハンセンの曲が流れてきて」とか、どうのこうの書いてきてね。だから俺も「安西さん、見舞いには行けないけど、何か送るよ」ってことでケルティック・ウーマンを送ったんだよね。
でも僕が初めてツイッターって面白いと思ったのは、谷川さんがツイッターで添付していた写真で、安西さんがたくさんのひまわりに囲まれたハガキがあったじゃないですか。「とんでもない人生になってきました」かなんか書いてあるやつ。アレを見てツイッターってモノ凄い可能性のあるツールやなぁと思いましたからねぇ。
谷川
あったねぇ。
あと、谷川さんがツイッターで話題を巻き起こした、名古屋名物しるこサンドはモノ凄い騒ぎになりましたからね。
谷川
凄い騒ぎだったよね。
僕らのソーシャルネットワークはあそこから始まってますもん(笑)。
谷川
ホントそうだよね。僕、ああいうのうまいでしょ?
うまい!
谷川
パソコンも打てないような男ですけど。メディア使うのはうまいからね。実は、今度やる新しい格闘技もソーシャルメディアを使ってやろうと思っていてね!(と初めて身を乗り出す)。
あ、今日は音楽の話だけでお願いします。
谷川
あ、そう(残念そうに)。
でも、谷川さんのそういった大衆的な嗅覚があったら、新人ミュージシャンのオーディションの審査員とかやったほうがいいと思いますよ。
谷川
やるよ!僕ね、そういうの絶対わかる(キッパリ)。
ダハハハハハ!
谷川
だって、俺、所(英男)くんなんかZSTのパンフレットの写真見て選んだだけだからね。「コイツが一番いい」って。
写真だけで!
谷川
だって俺、いまだから話せるけど、PRIDEに来る前に五味くんのマネージャーから「よろしくお願いします」って売込みがあったんだよ。でも、五味くんのことよく知らなかったんでビデオをもらったんだよね。で、それを観たら山本“KID”徳郁が出てて、「これは凄い!」と(笑)。
谷川さんがHERO'Sをやっていた時ですよね。
谷川
それでKIDの方に行っちゃったんだもん(笑)。「コイツ、ケモノ? 野獣?」って思って。そのビデオでKIDを知ったんだけど、最後の五味くんのところまで観てないんだよなぁ(笑)。
その話も凄いなぁ(笑)。
谷川
五味くんは修斗かなんかのチャンピオンだったんだよね。
修斗かなんか(笑)。
谷川
あんまり大きな声では言えないんだけど、五味くんのこと忘れてたんだよね。そしたら、そのあとでPRIDEに行っちゃって。「あんなに強かったんだ」って思って。
ギラギラしてましたからねぇ。
谷川
ギラギラしてたよね。別に俺はたくさん試合を観てるわけじゃないし、技術もわからないんだよ。そりゃあ何回も観てればちょっとぐらいはわかるけど、そんなことでは選ばないから。
そうですよね。そこが頼もしいですよね(笑)。
谷川
だから、アーティストもそんなとこで選ばないから。
ギター上手いとかそういうのはどうでもいいと?
谷川
どうでもいい、どうでもいい(キッパリ)。ぜんっぜんわからない、そんなのは。
ちょっと本気でお願いしたいなぁ、審査員。それは曲を聴くんじゃなくて、実際にアーティストを見た方がピンとくるんですよね?
谷川
本人を見てから曲を聴く感じで。
谷川さん、一発当てましょう!
谷川
当てる当てる(キッパリ)。育て方もうまいと思うし、僕。やっぱり最後までケツも持たないとね。
そうですよね。谷川さんのツイッターの、“どん底からの教訓”が出ましたね。その40のケツ持ちの理論ですね。
谷川
うん。だって、大衆や素人ってみんなわかってるじゃん、これが来るとか。
確かにそれはそうなんですけど、でも業界にいると、ある程度詳しくなっていって、大衆の嗅覚を忘れるじゃないですか。
谷川
忘れる忘れる。
なんで谷川さんはその感覚を忘れずに持っていられるんですかね?
谷川
いや、だからなんに対してものめり込んでハマらないから(キッパリ)。
--なるほど(笑)。今日取材した中でも、挙げていただいた音楽も全然のめり込んでる様子は感じられないですからね(笑)。
谷川
なんにものめり込んでない!のめり込んでないし、忘れっぽいし。

ケルティック・ウーマンとかも昨日電話で話した時点では名前すら出て来なかったですからね(笑)。
谷川
忘れてた!でも、この曲はいいよ。聴いた?
聴きました。
谷川
いいでしょ?
荒川静香のあの曲だなってすぐに思い出しましたし、訳詞読んでていいなって思いましたけど、僕自身があんまり追い込まれてないんで、正直ピンとは来なかったですね(笑)。
谷川
でね、この曲は結構いろんな人が歌ってるんだよね。この歌は男の人が歌うとよりいいんだよ。
へぇ~。
谷川
男の人と女の人が一緒に歌ってるバージョンがあるんだけど、それが凄い好きなんだよなぁ。
待ってくださいよ!それじゃあイチオシはケルティック・ウーマンじゃないじゃないですか!(笑)。
谷川
そうか、ケルティック・ウーマンじゃないんだな(笑)。
しかも、さっきは女性ボーカルがいいって言ってましたし、なんか適当やなぁ(笑)。
谷川
でもね、その男の人と女の人の歌が凄くいいんだよ。心に沁みるような感じで。
わかりました。じゃあ、とりあえず、谷川さんには音楽プロデューサーとして再起していただくということで。
谷川
タコちゃん、俺、やるよ!でね、音楽もプロデュースするけど、今度の新しい格闘技はさぁ……。
谷川さん、僕、冗談抜きであまり興味がないので、今日はこのへんまでということで!
谷川
ちぇ~。

(聞き手/メディアプルポ音楽出版部プロデューサー 原一博  構成/阿修羅チョロ )

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